フランスにいたよ(3)

「フランスにいるよ」の続きを書こうと思っているうちに、8月11日に帰国してしまいました。それで、過去形にして続きを書こうと思います。相変わらずの遅筆堂ですね。

ラクトディ―で3日過ごした後、7月21日の朝、ラクトディ―を出発して、フィジャック(Figeac)へ向かいました。車2台で9人の旅です。大人だけなら8時間半の行程を一気に行くこともできるのですが、3歳と1歳の幼児がいるので、無理をせずに途中のモンモリヨン(Montmorillon)で一泊する行程を計画しました(もちろん計画したのは小生ではありませんが)。

フィジャックは方角的にはボルドーから東へ250kmほど行った高地にある街です。日本人にはなじみのない街の名前ですが、シャンポリオンが生まれた町です。シャンポリオン、そう、あのロゼッタストーンのヒエログリフを解読した人物です。街にはシャンポリオンの生家を改造した博物館があります。

どうしてフィジャックへ? それはPhilippeのお母さん(イエイエと呼んでいました)が一人で住んでいるからです。Philippeの両親も以前はコッセルに住んでいましたが、引退後にフィジャックの町からちょっと離れた丘の上にある農家を買って、住めるように改築してきたそうです。また、敷地が広大で、これも買い広げていったそうです。お父さんはすでに亡くなっていて、イエイエは90歳、普段は身の回りの世話をする人が訪ねていますが、Philippeの兄弟6人が、ご機嫌伺いとホリデーを兼ねて順番に訪ねているようです。

こうしてみると、退職後に田舎へ住み替える割合がかなり高いようです。聞くところでは、そうした場合の相続税はかなり軽減されるとか。日本の場合はリハウスが、まだまだうまくいっていないようですね。

途中のサービスエリアで休憩、トイレタイムとお昼です。簡単なサンドイッチを食べ、少し外の空気を吸います。サービスエリアといっても日本とは違って、食堂や売店が並んでいるわけではありません。駐車スペースとトイレがあるだけで、あとは自然の中にテーブルとイスが並んでいます。

英気を養って、モンモリオンに向かいます。道の両側には、小麦、トウモロコシ、ヒマワリの畑が広がっています。そうそう、風力発電の風車が並んでいるのをずいぶん見ました。

ちょっと脱線。ラクトディ―でもモンモリオンでも、交差点はラウンドアバウトになっています。ラウンドアバウトの通り方ですが、環状内の車が優先されます。フランスは右側通行ですから、環状内を左側から車が進行してきた場合は、進入する車は一時停止し、左からの車がない場合そのまま入ります。
上の写真では片側二車線になっていますが、小さなものでは一車線です。この方式だと交通信号がなくて済み、信号のある交差点で左右の車の進行がないのに赤信号で停まって待つ、という必要がなくなります。交通信号がないので、電力の節約にもなるのではないでしょうか。ところで、日本の場合、交通信号の電気代はだれが負担しているのでしょう、気になりました(写真はHatenaKeywordのラウンドアバウトより)。ちなみに日本でも2013年6月に道路交通法が改正され、ラウンドアバウトが環状交差点として位置づけられました。ただし見通しが良いこと、中心のロータリーを設置できる余裕があることなど、日本での普及はなかなか難しそうです。

閑話休題。モンモリオンの宿泊場所に到着しました。町からは2kmほど離れた、川のそばの昔はビール工場だった跡地にある、おそらく工場のオーナーの家が改装されてBed & Breakfastのしゃれたホテルになっています。その名も、Chambres d’hôtes La Brasserieです。玄関のドアを開けて中へ入ると、フロアーがタイルのモザイクになっています、おしゃれ。部屋数は全部で4つしかありません。
ドアの内側は朝食を食べるスペースになっています。しゃれた階段を上った2階に宿泊する部屋があります。
早速、部屋でインターネットにつながるかチェックしている人がいます。ネット依存で嫌ですねー。

荷物を解いて、車で街のレストランへ。Office de tourisme近くの駐車場に車を止めて、ヴュー・ボン通りをたどってPont de Monmorillonでガルトンプ川を渡ります。この橋の楕円形の橋脚部に張り出した凹みには、タイプライターや紙の裁断機のようなものが置かれていました。

道なりに少し進んだ後、川の方へ引き返して川に沿ったレストランに入りました。総勢9名を、川側に大きく窓が開いた席に案内してくれました。窓からの景色です。

この景色、食事の後には沈む夕日で教会の尖塔だけが赤く染まっていて、とてもきれいでした。

ぼんやり食事を待っていると、「疲れちゃったの?」とはるかがマノとご機嫌伺い。

前菜、メイン、デザートとたっぷり食べて、ワインも飲んで、おなか一杯になりました。

腹ごなしに食後の散歩。先ほどの道を坂を上がって坂上にある教会Eglise Notre-Dameへ。

道端の案内板に、紙や本のサイズのことが書いてありました。橋の上の展示物といい、この町は印刷とか本に関係があるのでしょうか。調べたけれどわかりませんでした。散歩のあとホテルに戻り、ぐっすりお休みなさいとなりました。

翌日早く起きて付近を散歩。ビール工場の廃墟に、脇を流れる川の水力を利用して何かを持ち上げる(?)ような設備がありました。

昨日は車で通りすぎたホテルへの入口行ってみました。この道の奥にホテルがあるとは思えませんねー。入り口は昔のビール工場の門でしょうか。進入禁止となっています。

パンと紅茶のコンチネンタルブレックファースト。パンはおいしかった。

前庭にテラスがあって、テーブルにタイかビルマの仏塔が置いてあります。ちょっと東洋趣味のあるオーナーなのでしょうか。朝食のヨーグルトを食べています。

朝食が終わり、再びフィジャック目指して南へ走ります。途中でのお昼の休みをはさみ、夕方早くにフィジャックのイエイエのうちに着きました。

長くなったので、ここから先は次の回に書くことにします。