塑像の実習後半(6)

2月20日、塑像の実習の最終日になりました。これで今年度はおしまい、寂しいです。最終日ですから、もうモデルさんは入らずに、採点と講評、それと作品をもとの粘土に戻す作業だけです。

前半の6回目の回にも書いたように、採点をしている間、石膏取りの段取りをビデオに収めて編集した動画を使って、粘土の作品から石膏像を作成する過程を、小生が説明しました。

採点が終わって、みんなが元のアトリエに戻り、二手に分かれて講評会です。後半は角田先生のもとで制作したので、小生はそちらに陣取って順番を待ちます。まずは先生の全体の講評から始まりました。

続いて、学生さん一人一人が、思い思いの感想や苦労話を披露します。10人ほどが次々と説明をし、それぞれ講評があったのですが、一人だけの一場面にして省略し、自分の番の写真だけを載せることにします(学生さんに頼んで撮影してもらいました)。

でもって、以下の何枚かの写真がその場面です。どんな説明をしたかもう覚えていないのですが、頑張った、考えながら制作した、でもどうも自分には左右のゆがみがあるらしい、といったことを述べたと記憶しています。

角田先生に何と講評を受けたのか、これも正確には憶えていないのですが、頑張ったのは認めてもらえました。「だんだん良くなる道普請」ではないけれど、進歩の跡は認められると言っていただきました。

ただ、こうして下から見上げると、顎の線が少し違う、もう少し狭まっているはずという指摘がありました。確かにそうかもしれません。

こうして講評会が終わりました。みんなそろって自分の作品をもとの粘土に戻す作業です。

何とはなしに、みんな、破壊を喜んでいる雰囲気があります。積み木を一生懸命、積み上げて、その後で一気に壊す快感と通じるのでしょうか。

小生の作品も真っ二つにして、粘土を小さな塊にして粘土槽に戻しました。ちょっと悲しいです。

壊す前に、指摘された顎の線を若干、尖らせるように修正して写真を撮りました。以下の二枚が前回の最後(左)と修正したもの(右)です。照明の具合が異なるので比較するのは難しいのですが、少し違った雰囲気になった気がします。気のせいかな?

藤原彩人先生、角田優先生、ありがとうございました。次年度もよろしくお願いします。


塑像の実習後半(5)

このところ「つぶやき」ばかりで、「生物学」や「鳥に学ぶを」はすっかりご無沙汰していますが、ご勘弁ください。今出版のための最後の追い込みに追われています。それが終わったら、また書き込むよう努力します。

ということで気軽に書ける「つぶやき」です。塑像の実習がもう5回目になり、今日でモデルさんが入るのはおしまいです。実習開始時に、「完成させなくてもよいから、しっかりと観察するように」と角田先生からの言葉がありました。学生さんたちは何か気が抜けている気がしますが、それにはめげず、こちらは一生懸命、観察して手を入れました。

前回の最後の作品の写真を家でじっくり見ると、いくつかの点が気になりました。前回の最後に書いたように、左右にゆがみがあり、女性の持つ柔らかさがなくて男っぽい感じがすることです。また、左右の眼が中心に寄りすぎている気もします。

そこでこの点に気を付けながら直し始めました。ちまちまやっていると、角田先生が近づいてきたので、どうも女性らしさに欠け男に見えてしまうというと、目の位置が中央に寄りすぎる、目の周りの凹凸が強すぎる、と粘土をもってきて、ぐいぐいと右側の眼のあたりを直してくれました。すると確かに柔らかい感じになりました。うーん、うまいなー。

それでこれを手本に、左側の眼を全面的に直しました。そうすると左右の眼の感じが同じにならず、てこずりました。左右のゆがみも少し直しました。あとは細かい顔の凹凸とか、髪の量とかを直し、完成度を上げる努力をしました。でもって今日の最後にできたものがこれです。

いろいろな角度から撮影したものを、ギャラリーとして下に載せておきます。クリックすると拡大されます。

前回のものよりは女性らしくなったけれど、まだ足りない気がします。でも頑張ったから、良しとするか、と一人で慰めています。来週は最後の講評です。

 


塑像の実習後半(4)

2月6日に、塑像の実習後半の4回目がありました。モデルさんが入って3回目、今日と来週の月曜日で実際の制作は終わりです。藤原先生から、今日はよく観察してある程度のところまで作りこむようにと檄が飛びます。

とりあえず先週のマネキンのような頭部に頭髪をカツラのようにつけてみました。
まだ頭髪量が足らない感じです。学生さんたちもみんな、一生懸命制作に励んでいます。

藤原彩人先生と角田優先生は学生さんの間を回り、助言をしていきます。

ん、無帽・短髪の藤原先生、珍しいなー。

小生も途中で角田先生に、鎖骨の位置が高すぎるので、のけぞっているように見えると助言を受け、直しました。正面からだと直したのがわかりにくいですが。
頭髪量を増やし、下瞼を加え、ゆがみをなくしたつもりの、今日の最後ものがこれです。

女性の持つ柔らかさがなくなってしまいましたね。また目元、口元の(それ以外にもある気がしますが)ゆがみが気になります。右に傾いていますよね。作っているときは、気が付かないのですが、写真を撮ってみると気が付きます。

来週はそのあたりを気にして、最後の仕上げに注力したいと思います。


塑像の実習後半(2、3)

第2回

1月23日の第2回は、前半がスケッチ。今度はモデルさんが20分間ポーズするので、じっくり描けます。正面、横顔、後ろ顔、斜め下から見上げたもの、の最低4つを描くように指示がありました。一生懸命描いたので、写真はありません。

20分間3回のポーズが終わり、間の長めの休み時間(モデルさんの)に粘土練り。角田先生がお手本を見せてくれます。

皆で粘土練り。昔の川べりの洗濯場のような光景ですね。あるいは角田代官にひれ伏す領民たち、、。冗談です。

小生も粘土を練って、荒付け。最後にできたものはこんな感じでした。

第3回

1月30日が第3回。前回の荒付けではまだ量が足りないので、もう少し大きくして、全体のバランスを考えながら、作り上げていきました。途中で角田先生から顔の方はまあいいけれど、顎関節から後頭部のかけてのボリュームはよくないというサジェスチョンをいただきました。

今回も制作に打ち込んだので途中の写真はなし。サジェスチョンを受け止めて最後にできたものがこれです。

ちょっと左右のバランスが乱れているけれど、まあ、いいかな。なんかマネキンの頭を見ているようです。これにカツラを被せればいいんですね。バランスを正して、どのように頭髪を加えるか、来週が楽しみです。


塑像の実習後半、もう始まっています

下に投稿したアメリカへの旅行の顛末を書くのに時間を取られ、塑像の実習のことを書くのが遅くなり、この間にもう実習は3回もありました。井上ひさしじゃないけれど、遅筆堂だなー。で、気を取り直して、3回分を続けて書きます。第1回は1月16日(月)で、アメリカから帰国の翌日でした。

第1回
最初は講義室に集まり、この実習についてのガイダンス。講師の藤原彩人先生と角田優先生が自己紹介をし、最初に振られて、この実習を文科省のGPで始めた経緯などを知っている小生が、実習の意義と面白さを強調しました。

今年で実習に参加させてもらって7年目に入りましたが、創造する楽しさと、思い込みで対象を見ていることに気づかされる点など、何度やっても面白さは尽きません。学生さんたちにもそのことをわかってもらえればなーと思います。

その後、藤原先生がスライドを使って、この実習の狙いと実際の流れを説明し、別室(アトリエ?)に移って実習本番の開始です。はじめは学生さんがモデルになって5分間ポーズでスケッチ。途中でスケッチについて藤原先生かrあ説明がありました。いつ見てもササッと描いて様になっています(当たり前か)。

5分というのはいかにも短く、不完全燃焼でスケッチタイムは終了。続いて心棒作りです。これが棕櫚縄と小割。

これでどうやって心棒を作るか、説明があります。棕櫚縄を心棒に絡めるとき、要所要所で結構力を入れる必要があります。

お互いに助け合い、それぞれの心棒作りは終わりました。いよいよ来週からはモデルさんが入ります。


アラバマ、そしてニューオリンズ

昨年末の12月30日から1月15日まで、アラバマ州のAuburnに滞在し、1月4日から8日までニューオリンズに行ってきました。なんで年末年始に?と思うでしょうね。

SICB(The Society for Integrative and Comparative Biology)の年会は、毎年1月の初めに開催されるのです。今年はニューオリンズでの開催です。でもって下の娘のはるかがこの学会に参加するので、子守で行くことになりました。はるかの下の子(Manonと言います)は7か月でまだ母乳だけなので、母が参加すると乳飲み子も参加、でもずっと乳飲み子を抱えて年会に参加というわけにはいかないので子守が必要、というわけなのです。

はるか一家は12月7日に日本に来て、友達と会ったり奈良に行ったりして、12月30日にアメリカへ帰国、で同じ便でアラバマへ行ったのです。アメリカに帰ってすぐに上の子(Lilwennと言います)が風邪をひき(というか日本から持ち帰った)、友達の家での年越しパーティーもキャンセルして、散々な年末年始でした。

Auburnの娘の家に滞在してといっても、年末からずっと本の校正作業に追われていました。ネットにさえつなぐことができれば、今ではどこにいても我が家の書斎にいるのと同じように仕事ができるので、便利になりましたね。暮れから三が日はちょっとした子守をしたりして、あとは校正作業をしていました。

1月4日の午前にAuburnを出発して国道85を西南西に走り、モントゴメリーで65に入って南西に走り、モビールの近くで今度は10を海沿いに(といっても海岸からはだいぶ離れていますが)西へ、あとはひたすらニューオリンズに向かいます。食事や休憩を含めて6時間ほどのドライブでした。下の写真は途中で昼食をとったWaffle Houseでのものです。

途中、どのあたりかは忘れてしまいましたが、車の中から撮影した景色です。Manonはおなかがすいた時だけミルクをほしがる以外は、車の中ではとても静かで、手がかからない子です。

ポンチャートレーン湖に近づくと周りは湿地になり、やがて湖の東端にかかる橋を渡ってしばらく走ると、遠くにニューオリンズの市街地が見えてきました。もう夕方です。

市街地へ入り目指すヒルトンホテルに車を寄せて、荷物を降ろしてチェックイン。荷物を解いて、すぐにレジストレーションのために会場へ向かいました。

今回の会場はホテル内にある施設ではなく、歩いて5分ほどのコンベンションセンターで行われるとのこと、みんなぶつぶつ文句を言っていました。確か前にここのマリオットホテルでこの会があったときは、ホテルに会場があり移動もなく、便利でしたが、今回は予約が取れなかったのでしょうね。

ニューオリンズは思ったよりも寒く、ストローラーを押しながら会場へ。受付で無事にレジストレーションが終了。小生はCompanion Regsitrationで、Coffee Break はOKだけれど、学会会場には入れないというものです。首から掛ける名札をもらってWelcom Receptionの会場へ。これまでいくつもの学会に参加したけれど、Companion で参加するのは初めてだなー。
会場は若い人でいっぱいで、何人かの懐かしい人と会いました。

Welcome Receptionは10時まであるようですが、早めに会場を去り、はるかとManonと3人でConvention Center近くのレストランで遅い夕食を食べました。ルイジアナに来たのだからケイジャン料理をと思ってガンボを頼みましたが、予想に反していやに黒いスープ、ガンボといってもいろいろと種類があるそうです。
食事の後、ホテルに戻り長い一日が終わりました。はるかへ運転ご苦労様でした。

翌日から本格的な学会活動。小生はManonの子守です。ポスターセッションの時は、こんな感じでPoster会場内をうろうろ。
Poster会場に隣接してExhibition boothがあり、Oxford University Pressなどが出店しているので、並んでいる本を見て回りました。

1月5日と6日はこんな感じでConventin Centerの2階へ上がったところにあるロビーでストローラーにManonを乗せてうろうろ。時々知った顔に会って昔話、と過ごしました。

1月7日の午前中にはるかがRobert de Bruijnと座長をするセッションStress1があるので、ここはCompanion Registrationのお約束を破って会場へ。一番後ろに陣取ってManonと一緒にそっと聴講しました。

全部で7つ講演があり、一番最後にHaruka Wada and John Fingerの演題がありました。下の写真の上段右は、セッション冒頭のあいさつ、下の段の2枚が講演の様子(演者の背が小さいので、聴衆に埋まっていますが)、右下は終わった後のDiscussionの様子です。

ニューオリンズと言えば、夜のフレンチクオーターとプリザベーションホールでのJazzの演奏などが目玉なのですが、結局どれも行く時間がありませんでした。日曜日、はるかは朝一の講演を聞いただけで切り上げ、午前中せめてCafe du MondeでBeignet(四角いドーナッツ)を食べようと、散策しながらお店へ。お店の前にはもう長い行列が、、、。
やっと中に入って椅子に座り注文。ここは現金主義なのです。
コーヒーとベニエを注文、両方で6ドルでした。ベニエにかかった粉砂糖の量が半端ではありません。
でもとてもおいしいです。粉砂糖を振りまきながら平らげます。厨房の様子はこんな感じです。もちろん中は見えませんが。
散策しながらホテルへ戻り、荷物を車に詰んで帰路へ。でもどうしてもはるかが行きたいというCafeで昼食をとることに、、。とここも混んでいて1時間近く待ちました。有名なんですね。こんな感じのお店です。
トイレにこんな額がかかっていました。お店は狭かったけれど、味は保証付きなのでしょう。
二人で、おいしくいただきました。三人目も秘かに味わっています。
長かったニューオリンズ滞在を終えて、2時過ぎに再び車で同じ道をAuburnへ。途中ミルクやおしめの休みがあるので、やっぱり6時間かかり、家に戻ったのは午後8時過ぎでした。

翌日、1月9日からは二人の子供を預けることが出来るようになったので、朝は旦那のGuillaumeは早めに大学へ。少し遅れてはるかと小生が2人の子供を預けて大学へ、帰りはGuillaumeが2人を引き取って家へ、我々は6時ころ大学を出て家へ、というリズムになりました。

小生は昼間ははるかのオフィスで再び校正作業を行いました。疲れたら大学の構内を散策して、大学の周りのお店をWindow shopping。といっても、大学の周りにもたいしたお店はありません。ただこの大学のシンボル的な建物のそばを通ると、ついパチリとしたくなります。

1月8日から12日までの間、3回は家からサンドイッチを持っていってオフィスで軽く済ませ(はるかはミーテイングや委員会のために忙しく出入りをしています)、2回はすぐ近くにある地中海料理のTajikiというところで食べました。
おいしいです。

帰国のために朝早くアトランタへ向かうという日の前日のお昼は、子守のお礼という意味も込めてはるかとGuillaumeが少ししゃれたDepotというレストランでご馳走してくれました。鉄道線路沿いにある昔の駅舎だったところを改造して、レストランにしたのでこの名前なのだそうです。
上のがランチメニュー、StartersにSmoked Salmon DipとGrilled Oyster Rockefellerを注文。Mainは魚にしました。

途中で、建物のすぐわきを貨物列車が汽笛を鳴らして通り過ぎました。びっくりしたな、もー状態でした。笑う二人。確かにDepotなんですね。

こうしてAuburnとニューオリンズの子守旅が終わり、1月14日の早朝、4時半起きではるかに近くのシャトルバスの停留所まで送ってもらい、2時間かけてアトランタ国際空港へ、14時間で成田に戻ってきました。日本時間は15日の夕刻です。

そうそう、この写真を忘れていました。2人を預けに行く前の朝のひと時です。
ちょっと長くなりすぎましたね。3つくらいに分けるべきでした。おしまいです。