フランスにいたよ(5)ラクトディ―周辺

この週末、29日には今回フランスへ来た最大の目的であるPhillippe & Brigitteの結婚40周年記念パーティーが開かれます。テーブルの飾りつけの折紙を用意したり、小物を購入したりして、着々と準備を進めているようです。まだ少し時間があるので、ラクトディ―とその周辺のことをもう少し書いておきます。下の写真は、GoogleEarthから取得したラクトディ―の港と街の写真です。

前回、フィジャックの教会のことを書きましたが、ラクトディ―にも、ダウンタウンの港近くに聖チュディー教会(Eglise  Saint-Tudy)があります。上の写真の中央やや左よりに見える長方形の区画にある建物です。

結構古い教会で、英文のパンフレットによると、名前は5、6世紀にウェールズから来た修道士Saint Tudyに因んでつけられたとのこと、ウェールズのコーンウォールには同名の村があります。ブルターニュとウェールズのつながりを示す事例の一つです。ちなみにラクトディ―も、Loc(=place) + St Tudyから来ているとか。ともかくかなり古い時代に修道院がこの辺りに建てられ、その後ヴァイキングに破壊されて、、というような歴史があり、11世紀から12世紀にかけて、現在の地にロマネスク様式の教会が建てられたようです。
上の写真は、西側から撮ったもの、下の写真は東側から撮ったものです(撮影日が異なるので空の様子が違います)。
内部はこのようになっています。ゴシック様式とはだいぶ違うことがわかります。内部に入ると東側の祭壇はこんな感じです。

何度も補修しているらしく、新しい壁材がかなりの部分を占めていますが、古いものらしい壁材には特徴的な文様が浮き彫りになっています。ケルトの文様を思わせるものです。
この時は気が付かなかったのですが、柱の基部にもそれがうかがえるようです(写真はフランスのWikipediaより)。
2枚目の説明には「アダムとイブか」とありました。壁には、Saint Tudyと大天使ミカエルの幟がかかっていました。

振り返って、西側を見上げると、立派なパイプオルガンが備えられています。そういえば、フィジャックの教会のどちらにもありました。誰かが演奏をしています。どうやら練習をしているようです。日本ではパイプオルガンを練習しようとするとオルガンを見つけるのが大変ですが、こちらではどこにもあるという感じです。椎名雄一郎さん(新宿高校の同学年の友人のご子息)のことをふと思い出しました。つい先日、東京カテドラルでの演奏会を聴きに行ったものですから。

ブルターニュ地方は、新石器時代の遺跡である巨石遺跡群がたくさんあります。カルナックの遺跡群が規模が大きく有名ですが、ラクトディ―近くにもいくつもあり、そこへ連れて行ってもらいました。

ドルメン(支石墓)は、平たい石を組み合わせてテーブル上の構造を作り遺体を埋葬し、本来は土で覆われていたものが時間が経って石組みが露出してしまったと考えられています。最初に行ったのはKervadolのドルメンです。

少し歩いて次がQuelarnのドルメン。

あと林の中や畑の脇などを通って、3つだったか尋ねたのですが、場所がわかりません。道端にごく普通にあり、特別な説明もありません(上の2つには説明板がありました)。生活の中に溶け込んでいるというか、道端のお地蔵さんといった感じでしょうか。
最後のなどはかなり大きいのですが。

別の日ですが、Chapelle Notre-Dame-de-Tronoenを訪れました。このチャペルの庭には古いカルベールがあるのです。カルベール(Calvaire)とは、教会の敷地内にある石でできた長方形のモニュメントで、四面に彫刻が施してあり、キリストの一生が描かれています。そしててっぺんはゴルゴタの丘になっていて、キリストの磔刑と、ピエタの彫刻があります。

ボランティア(?)のガイドさんが、長い指示棒で、それぞれの彫刻を指しながら団体の人たちに説明していました。15世紀中ごろのものなので、だいぶ脆くなっているようでした。そのため指示棒の先端は綿入り帽子をかぶせてありました。説明板によると、当初は極彩色に彩られていて、あたかもcomic stip(絵巻物)のようなものだったそうです。東面の下側から順に時計方向に回って、一回りしたら上の段に移り、辿っていくと、キリストの一生を追えるわけです。特徴として聖母マリアは出産のためにbare breastでベッドに横になっている、とありました。たしかに、、。次のは最後の晩餐でしょうか。

キリストは最後は丘の上で、他の罪人2人と磔刑になります。そしてピエタと復活と、続くのでしょう。

ここのカルベールは、ブルターニュ地方の7大カルベールの一つらしいです。

そうそう、ドルメンを訪ねて歩いた時に、歩きながら平たい石を集めていました。手ごろな大きさの平たい石、何に使うんでしょうかね。

 


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