塑像の実習(6)

12月12日、塑像の実習も6回めで前半の最後の回になりました。今日はもうモデルさんは入らず、講評と後片付けです。

その前に学生さんの作品の採点があるので、まずはずらりと名簿順に壁際に並べます。下の3枚の写真は、藤原彩人先生担当分の半分で、小生の作品は3枚目の右から2番目です(右端は隣のグループのもの)。

採点している間、2010年6月に東京藝大で石膏取りをした記録動画があるので、それを観ながら塑像をどのようにして石膏の像に置き換えるのかの説明を小生がしました。「医療と造形」の企画がGPに採用され、そのお金でいろいろな資材を購入するとともに、この時、記録もちゃんと取っておいたのです。

当時は舘山拓人先生が講師で、小生が制作した2つの男性首像を藝大にタクシーで運んで舘山先生の研究室に持ち込み、石膏取りの作業を3日間かけて手取り足取り教えてもらいながら行いました。とても懐かしい記憶です。

でもって20分ほどかけて、石膏取りの過程のダイジェスト版を移しながら説明しました。まず切金を入れ、石膏液をまぶし、濃いめの石膏を塗りこんで固めます。固まってから切金のところで雌型を前後に分離、粘土を掻き出してよく洗い、前後を合わせて針金でしっかり結んで雌型の完成。後は省略しますが、次に石膏液を何度も流し込んで雄型を作ります。こうして2体の石膏像ができました。舘山先生が木の台座をつけてくれました。

そのうちの1体は塑像の実習の最初の説明の時に石膏取りの例として使われ、残りの1体は小生がもらい受けて玄関に飾ってあります。東日本大震災の時は倒れましたが、大きな損傷はありませんでした(下の写真は2016年12月19日撮影)。

採点が終わったので講評です。最初に藤原彩人、角田優両先生から全体の講評がありました。

どんな内容だったか忘れてしまいましたが、両先生とも今回は全体に対象を見据える姿勢が少し甘かったといったことだったと記憶しています。その後、二つに分かれて一人一人が自分の作品にどのように取り組んだか、どんなところに力を入れたかを説明し、それに対して先生からいろいろな意見やアドバイスをもらいます。小生は前半の藤原先生の方に加わったので、そちらの写真になりますが、一枚だけ、隣の後半クラスの講評風景、こんな感じです。

前半組の藤原先生の講評は、身振り手振りで笑いを取りながら、びしっと的確に甘いところを付いてきます。

下の2枚目の写真、耳を指しながら、これじゃ聞こえないでしょうと一言。確かに横を向きすぎて集音できない感じです。

さていよいよ一番最後に小生の番です。今日の講評のために作品を並べるとき、目尻を少し修正して切れ長の程度を先週より少なくしました。でもって説明です。印象ではなく骨格へ立ち返る、といったことを縷々、説明しています。

特に口元は気を付けて作りました、、などなど。

藤原先生からは、確かに口元などはよくなった、でも額から後頭部まではまだ骨格に対する意識が薄いと指摘されました。次回は頑張りまーす。

最後に元の粘土に戻すのですが、その前に作品の写真をたくさん撮りました。その一部です。

鉄ベラで一刀両断(とはいきませんでしたが)し、拳大の粘土の塊にして、粘土槽に戻しました。最後に道具を全部きれいにして部屋の掃除をし、今年度前半の「医療と造形」の塑像の実習が終わりました。藤原彩人先生、角田優先生、どうもありがとうございました。


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